第158章 0.side-B the rotator
「………これを以て 十一番隊第六席 阿散井恋次を 六番隊副隊長に任ずるものとする」
雛森がそう告げると 恋次は顔を強張らせたまま 口を開いた。
「お……おうっ!あ イヤ……」
「おめでとう 阿散井くん!」
「謹んでお受け致します 雛森副隊長!!」
「いいよそんな堅苦しいなァ」
恋次のその様子に 雛森と 傍に控えていた吉良が苦笑いすると 側で立ち会っていた一角が良かったじゃねえかと口元に笑みを浮かべた。
「これでまた一歩 朽木白哉に近付いたって訳だ」
「……一角さん」
「そろそろ良いんじゃねえか ルキアちゃんってのに話してやっても。相手が幾ら貴族に入ってようが 副隊長なら対等以上だろ。四十年も踏ん張ったんだ そろそろ元の関係に戻っていい頃だぜ。」
その言葉に 吉良が反応する。
「それなら 急いだ方がいいね。朽木さんなら午後には1か月の駐在任務で現世に発つ筈だよ」
すると雛森は大変と立ち上がり 恋次に急ごうと声をかけた。
「ーーーーーーーいや」
「え?」
「どうせ 本当の任官は一月後の任官式の後だ。あいつが帰って来た時に いきなり副隊長だって言ってビビらせてやるさ」