第148章 195.Death & Strawberry
四番隊隊舎 綜合救護詰所
破面との戦闘から三日が経過し、臨はゆっくりと ヤミーを殴った左手の感覚を確かめた
「今回の件は事態を最小限に抑えるためとはいえ 現世へ無断で向かったことは褒められるべきことではありませんよ」
「………すいません」
卯ノ花にそう言われ 臨は小さく謝罪する
すると卯ノ花は呆れた様にため息を吐き 眉尻をさげた
「あの旅禍の少年達……いえ 黒崎さん達が心配なのはわかりますが 貴女もつい最近漸くこちらに戻ってきたばかりなのです。少しは自身の体も労ってください」
「……はい」
臨が視線を逸らす
臨が無断で現世へ向かったことは さして大きな問題にはならなかったが 山本元柳斎重國によりこってり二時間絞られた
問題にならなかったのは 臨が早急に現世へ向かった為 魂魄の被害が最小限に抑えられ 人間の魄動の再生を手早く行えたということが大きい
それともう一つ 彼女が得た破面の情報によってもたらされた破面の実情である
「今回現れた破面の二人は藍染の名を口にし 任務と申しておりました。その事から既に 藍染側は 既に戦闘の準備が整っていると言うのがワタクシの見解でございます。即刻先遣隊を組み 現世にて警戒態勢を取ることがベストかと」
十人の隊長格の視線が 片膝をつき報告する臨に突き刺さる
すると山本元柳斎重國は一拍おき あいわかったと口にした
「………それと 気になることがもう一つ」
「今回の先遣隊には 貴女も入っているのでしょう。」
「ええ 藍染惣右介が戦闘態勢を整えた今 休んでいる暇はありませんから。」
卯ノ花が臨の左手に包帯を巻き 副官章を巻きつけると彼女は立ち上がった
「……ありがとうございます」
「無理は……しないでくださいね。」