第10章 9.Monster and a Transfer

[Struck Down]





「時間の無駄か。」
掴趾追雀ならば追えるかと思っていたが、意味などなかったかと舌打ちをする。
仕方ないと思いつつ溜息を吐くと、伝令神機に着信が入った。
「ルキア………？はい、臨です。」
『臨殿！昨日の鸚哥を覚えていられますか？』
「鸚哥？……ああ、チャドくんのですか。昨日魂葬したって……」
『それが………』


事情を説明され、溜息を吐くと弱々しく申し訳ありませんと言われ怒るにも怒れなくなった。
「現状は？」
『現在チャドが鸚哥を持ったまま逃走しております。場所は』
「霊圧で探りながら追いかけます。ルキアは霊圧をあげてください。」
『了解しました………なっ！？』
直後、受話器越しに何かが当たる音がした。
「ルキア…….！？どうしましたルキア！！」
『………つで……か…………………の。』
何者かの声が聞こえる。
ルキアに何かあったかと私は伝令神機を閉じると、走った。