第141章 ???.Different Talk
手首には 赤黒い痣が残り血が滲み出る
解放され 浮竹の首へとその腕をまわすと酷く安心した
「………構わない 続けて」
すると浮竹は 今度は何も言わず指を抜いて彼自身の寝巻きの紐を解いた
「すまん もう嫌だと言っても止められない」
「………いい それでも」
侵入してくる赤黒くて熱いそれが一瞬目に入った途端 浮竹は私の目をその大きな手で塞いだ
見なくていい
優しいその声に浮竹がどれ程自分を愛してくれているのかを実感し 少しばかり申し訳ない気持ちになる
私は浮竹ほど浮竹を愛してなどいないし どこか冷めた部分もある
目が溶けるほど溢れた涙が 彼により吸われる
荒い呼吸と一緒に 自分のものとは思えないほど甘い声が漏れ 彼が悦ぶ
耳元で聞こえる私の名を呼ぶその声に答えるよう小さく彼の下の名を呼んでみると 彼は本当に嬉しそうに笑い 苦しそうな顔をして腰を打ち付け 最も深く繋がったところで白濁を吐き出した
目がさめると浮竹の顔が近くにあり 昨晩のことを思い出す
少し伸びた彼の白い髪に触れ それを彼自身の耳にかけると彼が口を半開きにして寝ていることに気が付き思わず笑った
「………かわいいひと」
彼が風邪をひかないよう少し汗ばんだ皮膚を近くにあった手拭いで拭き取り 掛け布団をかけなおす
そして私はもう少し浮竹へと寄ると 再び目を閉じた
縛られた その両手の傷は今でも残っている