第141章 ???.Different Talk
じゃぶじゃぶと音を立てて 器を一つ一つ丁寧に磨いていく。
浮竹も全て食べ終わったらしく ご飯入っていた桶と味噌汁の入っていた鍋ももってくると私はそれを受け取り 水につけた
「うまかったよ」
「それはよかった」
なら手伝えとばかりに手拭いを渡すと 浮竹は洗い終えた食器を丁寧にふきあげる。
一通り落ち着くとそれじゃあ部屋に戻るかと浮竹と別れようとすると 彼は私の腕を掴んだ
「どうした?」
「…………その だな」
モゴモゴと口籠るその男の顎を掴み 言いたいことがあるならはっきり言えと告げる
すると男は私の手を掴み 顎から話すと一呼吸おいて告げた
「今日は体調もいいから 俺の部屋にこないか?」
「………」
その意味を理解し 顔が熱くなってくる
「な……な……ば バカじゃないのか!?お前同室いるだろう!それも京楽!!」
「京楽はこの夏休みは実家に帰ってる。だから」
「いやいやいや そもそも男子寮は女子の立ち入り自体が厳禁だろう!何を考えてるんだお前は!」
「じゃあ俺がそっちいってもいい」
「同じだろう!女子寮は男子厳禁だ!」
臨が叫びぜーはーと息をきらす。
すると浮竹はクスクスと笑いだした
「真面目だな」
「むしろお前の口からそんな不真面目な言葉がでると思わなかったぞ」
「……わりと皆連れ込んでたりしてるんだよ 京楽だって……」
「京楽もって……いやまあ京楽だからか そういう時は浮竹はどうしてるんだ?」
話を逸らそうと試みる
「布団で寝たふりしてる」
「………京楽が戻ってきたら 殴るしかないな」
何をやってるんだあの男は ヤってるのか
「………はあ」
ため息が漏れる
掴まれたままの腕は放される気配は無く、浮竹へと視線を向けると笑顔のそいつの顔があって少し腹が立った
「もうなんだかんだ付き合って一年は経つだろう そろそろいいと思うんだ」
「結婚まで貞操を貫くやつもいると聞くが」
「それは結婚を考えてくれてると思っていいのかい?」
その言葉に調子に乗るなと顔面に拳骨を喰らわせる
しかし緩まない手に強情だなと思いながらいると ダメかと聞かれ思わず目を合わせてしまった。
そう 例えるならば棄てられた子犬のような
「………バカ」
結局折れたのは私だった