第8章 7.The Pink Cheeked Parakeet
「チャド!」
一護くんのその声に、彼が宙を舞う原因になった方へと顔を向ける。
すると彼からふと別の魂魄の気配を感じ取った。
気配だけで姿は見えない。
辺りをザッと見回すと、インコが目に入った。
「チャドくん……そのこ……」
そう言うと彼はム、と小さく返事をして私に籠を渡した。
「コンニチハ!ボク ノ ナマエ ハ シバタ ユウイチ!オネエチャン ノ オナマエ ハ?」
か、かわいい……とそれどころじゃ無い、一護くんの方へちらりと視線を向けると彼も気付いたらしく、その顔色を変えた。
「おおー!スゲェ!メチャメチャ達者に喋るなコイツ!俺の名前はアサノケイゴ!言ってみ?アサノ!ニックネームはユアン・マクレガーだ!!」
「……いちいちツッコまなくてもいい?」
水色くんが呆れた顔をする。
人のように啓吾くんと会話を続けるインコを横目に、一護くんはチャドくんに声をかけた。
「チャド、あのインコはどこで……?」
「昨日……………………………」
沈黙。
何秒くらい経ったのだろう。暫くすると彼は再び口を開いた。
「………………もらった。」
「コラァ!!オマエ途中メンドいからハショったろ!悪い癖だちゃんと言えちゃんと!」
啓吾くんのツッコミを一瞥し、再び一護くんの方を見ると、ルキアと二人で会話する姿が見えた。
それに気付いたのかルキアが軽く頷く。
どうやら今夜は二人が向かってくれるらしいと私はホッと溜息を吐いた。