第132章 175.end of hypnosis7
「最後だ、僕が教えておこう。
死神には基本的な四つの戦闘方法があるのを知っているかい?斬術 白打 歩法 鬼道の四つがそれだ。だが、そのどれもに限界強度というものが存在する。どの能力も極めれば、死神としての魂魄の強度の壁につきあたり、そこで成長は止まる。つまりはそこが死神の限界だ。ならばそこを突破して、全ての能力を限界を超えて強化する方法は無いのか?……あるんだ、ただ一つだけ。
それは 死神の虚化だ。」
一護の脳裏に 先程の戦闘の記憶が蘇る
「死神の虚化 虚の死神化。相反する二つの存在の境界を取り払うことで、その存在は更なる高みへと上り詰める。理論的には予てから存在するとされてきた手段だった。僕自身は特に虚の死神化に着目し、幾つかの死神に近い存在の虚を送り出すことに成功した。自らの霊圧を消すことのできる虚。触れるだけで斬魄刀を消すことができ、死神と融合する能力を持つ虚。」
ルキアが かつてのソレを思い出す
「だが どれも新たな存在と呼ぶには程遠い屑ばかり。僕以外の者も皆、無知と倫理に妨げられて、結局その方法を見つけられる者は誰一人としていなかった。それを造りだしたのが 浦原喜助だ。
彼が造り出したのは瞬時に虚と死神の境界線を取り払うことができる、尸魂界の常識を超えた物質だった。
物質の名は 崩玉。
危険な物質だ、彼もそう感じたんだろう。崩玉の破壊を試みた。だが彼は結局、自らが造ったその崩玉を破壊する術を見つけることができなかった。そこで彼は仕方無く一つの方法をとった。それは、崩玉そのものに防壁をかけて、他の魂魄の奥底に埋め込んで隠すという方法だ。…………最初は僕も、朽木ルキアが行方不明になったことで隠し場所が彼女だと思っていたよ。けれどそれは違かったんだ。………なあ芭蕉臨。」
一護が目を見開く。
「君が朽木ルキアにそんな危険なことをさせる訳がない。浦原喜助は君に取引を持ちかけたんだろう、朽木ルキアの罪がバレないよう 尸魂界が補足不可能な義骸を彼女に使わせる代わりに 崩玉を君が 自らの意思で取り込んだんだ。」