第130章 173.end of hypnosis5
藍染の凶刃が 恋次の右腕にかする。
ギリギリで回避した恋次に藍染はやれやれと呟いた。
「随分 上手く躱すようになったじゃないか 阿散井くん。成長したんだね 嬉しいよ。だけど、できれば余り粘ってほしくはないな。潰さないように蟻を踏むのは 力の加減が難しいんだ。僕も君の元上官として 君を死なせるのは忍びない」
その様子に ルキアが恋次の名を呼ぶ
「黙ってろ……ルキア」
思っている以上に右腕の傷は深い。しかし刀を握り締める
「何が……元上官として死なせるのは忍びない だ……………だったら何で 雛森は殺した……!」
その言葉に藍染は納得する
「ああ さっきの霊圧の震えはやはり天挺空羅か。勇音くんだね。雛森くんのことは仕方無かった。彼女の尊敬する芭蕉臨が瀞霊廷を裏切った今、彼女は僕無しでは生きられない。そういう風に仕込んだ。殺して行くのは情けだと思わないか」
恋次が 言葉を失う。
「…….しかし、彼女を手にかけたくなかったのも事実だよ。だから少し手間をかけて、吉良くんや日番谷くんと殺し合って貰おうと思ったんだが……中々上手くいかなくてね。だから仕方無く、僕が殺したんだ。」
その言葉に 恋次の心がざわめく
「そうかよ…….吉良も…雛森も…あんたの掌で転がされてただけだってワケかよ…………」
「君もだ 阿散井くん。」
恋次が藍染を睨みつける
「……良く解ったぜ あんたはもう、俺の知ってる藍染隊長じゃ無えって事がな。どんな理由があるか知らねえが、死んでもあんたにルキアは渡さねえ」
「もう自分の知る藍染惣右介ではない か。残念だがそれは錯覚だよ、阿散井くん。君の知る藍染惣右介など 最初から何処にも居はしない。」
ルキアを抱えたまま 恋次が跳ねる
「咆えろ 蛇尾丸!!!!」