第128章 171.end of hypnosis3
死体の人形 と呼ばれたソレが砕け散り 刀が露わになる
「僕の斬魄刀 鏡花水月
有する能力は 完全催眠だ」
勇音が目に見えて動揺する
「嘘……だって 鏡花水月は流水系の斬魄刀で……霧と水流の乱反射で敵を撹乱して同士討ちさせるって……藍染隊長 そう仰ってたじゃないですか………私達副隊長を集めて……実際に目の前で見せて下さったじゃないですか!」
動揺する勇音よりも、卯ノ花が一歩前へと踏み出る。
そして納得がいったと眉を顰めると、口を開いた
「……成程…それこそが……催眠の儀式という訳ですか。」
「御名答
完全催眠は 五感全てを支配し 一つの対象の姿 形 質量 感触 匂いに至るまで 全てを敵に誤認させることができる。つまり 蝿を竜に見せることも沼地を花畑に見せることも可能だ。そしてその発動条件は、敵に鏡花水月の解放の瞬間を見せること。一度でもそれを目にした者は、その瞬間から完全催眠に堕ち 以降僕が鏡花水月を解放するたび 完全催眠の虜となる。」
「一度でも…….目に………」
卯ノ花が気付く
「…….気付いた様だね
そう 一度でも目にすれば 術に堕ちるということは 眼の見えぬ者は術に堕ちることはないということ…………つまり 最初から 東仙要は僕の部下だ。」
ルキアを抱えた恋次と臨が 東仙と相対する。
それに臨は慌てて恋次達を守ろうと突き飛ばそうとするものの、その術は恋次達を捕らえ臨を弾いた
「恋次!!ルキア!!!」
悲鳴のような声が 臨からあがる。
「二人を救いたいのなら 追ってこい」
「………最後に 誉めておこうか。」
藍染が呟く
「検査の為に最も長く手を触れたからとはいえ、完全催眠下にありながら 僕の死体にわずかでも違和感を感じたことは見事だった 卯ノ花隊長。
さようなら 君達とは もう会う事もあるまい。」
光が 藍染と市丸をつつむ
再び双殛の丘へと戻された恋次達は 理解ができず呆然とする。
それに藍染は満足そうに笑い 口を開いた
「ようこそ 阿散井くん
朽木ルキアを置いて 退がり給え」