第8章 7.The Pink Cheeked Parakeet
「呪いのインコぉ!?」
茶髪の男がそう嫌そうな顔をすると、頭を刈った男は困った顔をした。
「イヤそれがさ、なんかコイツ飼ってる奴みんなヒデェ目にあって死んじゃうんだってさ。それでスグ他の人の手に渡るんだと。」
「ナニ?そんで回り回ってオマエんとこ来たの?」
「そーなんだよ、俺怖くってさ、シゲオいらねえ?」
そう言うと、彼はインコの籠を持ち上げた。
「今の話きいて欲しがるワケねーだろボケっ!」
そうキレるシゲオという男に苦笑いしながら、彼は今度は別の人物にインコをまわした。
「チャドさんどーすか?カワイイっすよホラ♡」
「バカ!やめろよ、チャドはそういうカワイイのには弱い……」
直後、上空からベキリと音がする、
それを何が起こったと三人が見上げると、鉄骨が落ちてきた。
そのうちの二人が地に伏せ、気休め程度にしかならないが腕を頭上でクロスさせた。
しかし、いつまでもこない衝撃に恐る恐る目を開ける。
「チャチャチャチャドさん!?鉄骨背中で受け止めてる!?」
頭を刈っている男がそう言うと、シゲオは大丈夫かよと彼を心配した。
「ム、なんともない。」
「何ともないって、お前血ィ出てるぞ!」
やんややんや大騒ぎする二人の様子を静かに見守るチャドと呼ばれた男は、足元から突然声をかけられそちらへと視線を動かした。
「タスケテ クレテ アリガトウ ボク ノ ナマエ ハ シバタ ユウイチ オジサン ノ ナマエハ?」
「な、なんだよコイツ、まるで状況がわかってて喋ってるみたいじゃ」
「茶渡泰虎、15歳だ…………まだ」