第127章 170.end of hypnosis2
日番谷が息をきらし 開いていた清浄塔居林へと足を踏み入れると そこにいた人物に驚いた
「……市丸……と………」
「や 日番谷くん」
「藍………染……!?」
死んだはずのその人物に絶句する
「どういう事だ……てめえ…….本当に藍染なのか………?」
「勿論 見ての通り本物だよ」
そう告げたその男はふいと市丸へと視線を向けると 予想より随分と早いご帰還だねと呟いた
「すんません イヅルの引きつけが甘かったみたいですわ」
「………何の……何の話をしてんだ てめえら……」
「何の話?ただの戦術の話さ
敵戦力の分散は戦術の初歩だろう?」
その言葉に驚愕する。それもそうだ
何故ならそれは 日番谷たちを 敵 として見做した者の 口にする言葉だ
「……雛森は何処だ……」
「何処かな」
日番谷が 瞬歩で藍染と市丸の間を抜ける
その先には 血を流し倒れる 雛森の姿があった。
「……………雛…………森……………………」
「残念 見つかってしまったか。……済まないね 君を驚かせるつもりじゃなかったんだ。せめて君に見つからないように 粉々に斬り刻んでおくべきだったかな」
「………………どういうことだ 藍染…市丸……てめえら何時からグルだった……」
日番谷の声が 怒りで震える
「最初から さ」
「……てめえが死を装うより前ってことか………藍染……」
「理解が遅いな 最初から だよ。
私が隊長になってから ただの一度も 彼以外を副隊長だと思ったことは無い」
「…………それじゃあ…てめえは今迄ずっと……雛森も…俺も…てめえの部下も 他の全ての死神達も……臨のことすら……騙してやがったのか………!」