第124章 168.Behind Me, Behind You
日番谷が血を指でなぞり、その乾き具合を確認する。
ざりざりとしたその感触に 殺されたのは昨日今日の話ではないと悟ると眉根を寄せた
いつだ
いつ殺された!?
阿散井がやられて
戦時特令が発令されて以降は
この中央地下議事堂は完全隔離状態に入り
誰一人としてここへ近付くことさえ
許されなかった
そして今日 俺達が強硬突破するまで
ここへ至る十三層の防壁は
全て閉ざされたままで
何者も侵入した形跡はなかった
つまり
殺されたのはそれより以前
そしてそれ以降に
俺達に伝えられた
四十六室の決定は全て
ーーーーー贋物
やったのは誰だ
市丸か?
だが誰にも気付かれず
四十六室を皆殺しにし
それを今まで隠し通す
それほどのことを奴一人で?
他にも協力者がいるのかーーー
そう思考している日番谷に、ある人物が声をかける。
「……いらっしゃると思っていました 日番谷隊長」
その声の主の方へと視線を向ける
「…….吉良………!」
予想外の人物に、動揺がはしる
「まさかてめえが……これをやったのか…………?」
すると吉良はその場を逃げるように後にし、日番谷は松本を呼ぶと追い始めた。