第118章 162.Black Moon Rising
「………何だと」
白哉の目が見開かれる
「…….訊き返すなよ……….聞こえてんだろ、それとも信じられねえだけか…?二度も三度も言わねえぞ………俺の言葉は信じられなくても……てめえの眼なら信じられるだろ!朽木白哉!!!」
一護が立ち上がり剣を振る
「しっかり見てけよ こいつが俺の卍解だ」
一護の霊圧が更に上昇する。
(莫迦な
死神として頂点を極めた者のみに許される 斬魄刀戦術の最終奥義
死神として他と隔絶した超然たる霊圧を生まれ持つ四大貴族といえど そこに至ることができるものは数世代に一人と言われ
それを発現できた者は一つの例外も無く尸魂界の歴史に永遠にその名を刻まれる
それが卍解だ
だが こいつは何だ
此奴はルキアと臨の力を喰らって死神となった
貴族どころか元来死神ですらない
それが何故 卍解などと容易く口にする?
それが何故 こんな霊圧を放っている?
これでは まるでーーーーー……)
「 卍 解 」
凶悪ともいえる霊圧が一護を包み込む
舞い上がる砂埃
岩が砕け白哉の頬を掠める
砂煙から現れたその人物
その手に握られていたのは
黒塗りの 細い斬魄刀一本だった