第112章 152.The Speed Phantom
双殛の磔架を壊されたことに隊長格達が信じ難いと目を見開く
ルキアはふと、疑問を口にした
「一護…….訊くが…….これからどうする気だ……?これ程の目の前で上手く姿を晦ませる方法など……」
「逃げる」
簡潔な答えにルキアの思考が一瞬止まる
無理だ、逃げ切れる訳がないと声を張り上げると、一護は じゃあ全員倒して逃げるさと答えた。
「オマエだけじゃねえよ、井上も石田も、チャドだってきてるんだ。岩鷲も花太郎も、手伝ってくれた連中はみんな、助け出して連れて行く。」
その姿に、ルキアは一護が今までどんなことがあったのか想像し、どれほど強くなったのか実感した。
直後、何者かの悲鳴が辺りに響く。
そちらへと視線が向くと、そこには恋次が息を切らし立っており、恋次はルキアの名を叫んだ
「良かった!生きておったのだな恋次!!良かっ………」
「恋次!!」
臨が唐突に恋次の名を呼び、ルキアを上へと掲げる。
その様子にルキアと恋次は、臨の容赦のなさをふと思い出し、まさかと頬に汗が伝った。
「受 け と れ よ ォ !!!!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????」
ルキアが思い切り投げられる
それに恋次は馬鹿野郎と悲鳴をあげ、ルキアをなんとかキャッチし受け身を取った。
一護はその容赦の無さに臨に対しひいた視線を向ける。
そして恋次とルキアは起き上がると、それぞれ臨に対しもう少し優しくおろしてくださいとかなんとか抗議した。
しかし臨はそれに応えることもなく、さっさと逃げろと大声をあげる。
「ボーッとするな!!恋次!!お前の仕事だ!!今度は死んでも放すなよ!!」
その言葉に恋次は目を大きく見開き、ルキアを抱え
走り出す恋次