第100章 133.memories in the rain2
「……………先生が来てくれなかったら……雛森は死んでた。」
日番谷は雛森の前で恩師へと感謝を述べる。
この場にいない彼女に、届くことなどない、けれど、それでも彼は感謝した。
乱菊の脳裏に、先程の光景が蘇る。
剣を元に戻す市丸。そして背を向けると日番谷は待てと叫んだ。
しかしそれでも、彼は瞬歩でいなくなる。
(…………いつもあたしに行き先を告げずに消える、悪い癖………まだ、直ってはいないのね………………ギン、あんた一体………どこへ行こうとしてるのーーーー?)
その二人の元に、地獄蝶が現れる。
そして信じがたい事実を伝えると日番谷は口を開いた。
「処刑と、それに連なる双殛の解放。それが市丸の狙いならこの処刑、このまま見過ごす訳にはいかねえ……ついて来い松本、処刑を止めるぞ。」