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POLLUTE【BLEACH】[R-18]

第6章 5.Binda・blinda


一方その頃、織姫は信じられないという顔で兄である虚と対峙していた。
「ほ、ホントに……お兄ちゃんなの?」
『……ああ、そうだよ織姫。』
虚が慈しむように織姫を見る。
やっぱり忘れてなんかいなかったと安心すると、織姫はどうしてと呟いた。
「どうして……どうして黒崎くんやたつきちゃん、臨ちゃんに酷いことするの……どうして………!」
『どうして?決まってるだろう?……こいつらは俺とお前の間を引き裂こうとしたからだよ!』
え、と織姫から声が漏れる。
『俺が死んでからというもの、おまえは毎日俺の為に祈ってくれていたね。俺はずっと見ていたんだよ、嬉しかった……とても。俺は死んでしまったけれど、おまえのその祈りだけで全てが救われる気がしていた。………だけどそれから一年ほどして、おまえはあの女と友達になった。その頃からおまえが、俺の為に祈る回数は目に見えて減っていったんだ!!』
恨みのこもった目で織姫を睨む。
『そしておまえは高校に入り、芭蕉臨、黒崎一護の二人が現れた。おまえはついに……俺の為に祈ることをしなくなった!!出かける前も帰ってきた後も、俺の前で話すことは友達やあの男のことばかりだ!!つらかった……お前の心から、日毎に俺の姿が消えていくのを見るのは。』
「ち、ちがうよお兄ちゃん!それは……」
『俺は淋しかった!!淋しくて淋しくて何度もお前を……』
直後一護が背後から斬りかかる。
しかしその攻撃もろとも虚の尾で吹き飛ばされた。
「黒崎くん!」
織姫の声が響く。
『さあ、一緒に行こう織姫……俺と一緒に、またあの頃のように二人だけで暮らそう。』
虚が織姫を掴む。
すると織姫が再びどうしてと口を開き、虚の動きが止まった。
「寂しかったらそう言ってくれればいいのに、どうしてこんな……みんなをキズつけたりするの……どうして……」
虚を見上げ涙を流す。
「あたしのお兄ちゃんは、こんなことする人じゃなかったのに……!」
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