第93章 127.Beginning of the
そう言うと、一護には何か心当たりがあったらしく思い出したかのように小さく声を出すと、臨と夜一はたっぷり含み笑いし、夜一が人形をバシンと叩いた。
「斬月をこいつに刺せば、その具象化の状態に強制的に持っていける、そうすれば儂の力と臨の力で具象化状態を保ってやる。ただし、この方法で具象化できるのは一回きり!期限は3日!その間に何としても具象化した斬月を打ち倒して屈伏状態にしろ!それができなければーーーー………」
すると一護は人形へその刀を差し、口を開いた。
「………できなかった時のことは聞かねえ。それしか方法が無えんなら……やるしか無えだろ!」
砂埃が舞い上がる。
その間から見える彼に一護は驚くと、彼はポツリと呟いた。
「………どうやら随分回復したようだな……一護。」
「………オッサン………!」
夜一が斬月へと声をかける
「話は聞いておったな?」
「無論だ。」
「戦闘方法は任せる。すぐに始められそうか?」
すると斬月は地面へと手をつけ、短く返事をした。
途端、辺りに大量の刀が飛び出てくる。
「な……何だこりゃ………!?」
一護が信じられないといった風に目を見開くと、斬月は答えた。
「この中に一本だけ……本物の斬月がある……私を倒すことができるのはその一本だけだ。私を屈伏状態にさせたくば、私に殺される前にそいつを見つけ出せ!そしてーーーー私を斬り伏せて見せろ!!」
お互いに近くにあった剣を取り、刃と刃が混じり合う。
その様子に臨と夜一は目を細めた。
その頃、各隊社の牢では阿散井、雛森、吉良の3名の副隊長達が牢からいなくなったという情報が入っていた。