第93章 127.Beginning of the
茶渡が倒れ、岩鷲が倒れ、石田が力を失くしたその時
臨は冷徹な目で一護を見下ろし、冷酷な声でただ一言、呟いた。
「立て」
しかし起き上がれない一護に、臨は眉根を寄せもう一度同じことを言う。
「立て。モタモタするな」
するとそこに現れたそれは、ゆっくりと一護に近づき臨に構わんと吐いた。
「そいつが自分で立てないのなら……私が引きずり起こしてやるまでだ。」
「…………斬月……!」
28分前
卍解の為の三日間 一日目
午前11時33分
目が覚めた臨が抱えて持ってきたその人形に、一護は驚いた
「何だその妙な人形は……?」
「"転神体"隠密機動の最重要特殊霊具の一つじゃ。斬魄刀の本体を強制的に転写して具象化することができる。」
夜一が説明している最中に、臨は地面へとそれを設置する。
一護はそれが本当に卍解の修行になるのかと問いかけると臨は必要ですと答えた。
「始解に必要なのは斬魄刀との対話と同調。対して卍解に必要なのは斬魄刀の具象化と屈伏。具象化とは、対話の際こちらが斬魄刀側の世界に行くのではなく、斬魄刀を我々の世界へと喚び出すことを指す。通常、ここにたどり着くまでに十年以上の鍛錬が必要なのですが……まあ一護くんはあの更木隊長と対等に戦えましたし、潜在的には既に具象化かそれと同等のレベルに達していると見ています。」