第92章 120.Shake Hand With Grenades
一護が刀を構えると、夜一は口を開いた。
「最初に訊いておくがおぬし、その斬月が常時解放型の斬魄刀だということには気付いておるか?」
すると一護は知らなかったようで驚く。
「そうなのか!?常時解放型っていうと剣八みたいな?どうも他の連中と形が違いすぎるからおかしいとは思ってたんだ。名前呼んでも変形しねーし」
「…….やはり気付いとらんかったか…では…………
その斬月がもう一段階解放できるということも知らぬな?」
その言葉にさらに驚くと、夜一は満足そうに頷いた。
「斬月に限らず全ての斬魄刀は、実は二段階の解放が可能なんじゃ。一つ目の解放を"始解"二つ目の解放を"卍解"と言い、この二つの解放ができることが隊長になる為の必須条件の一つとされておる。」
「!必須………」
「そうじゃ、つまり隊長格は、唯一人例外を除いて全員がこの卍解を修得しておるという訳じゃ。」
すると例外という言葉に一護が引っかかる。
それに夜一は更木剣八じゃとこたえた。
「長い尸魂界の歴史の中でも卍解ができぬどころか自身の斬魄刀の名も知らぬまま隊長位に就くことができたのは奴ぐらいじゃ。それほど 奴の戦闘能力とそれに対する執着は護廷十三隊にとって大きかったのじゃろう。それは戦ったおぬしが一番よく解っておる筈じゃ。」
その言葉に一護は黙り込む
「始解状態と卍解状態での同じ斬魄刀の戦闘能力能力の差は、個人の資質と鍛錬の度合いにもよるが……一般的に5倍から10倍と考えていい。」
「……10倍…!」
驚異的な上昇率に一護が絶句する。
「始解から卍解に至るには才ある者でも十年を優に超える鍛錬が必要となる。」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!そんな時間は……」
「無論解っておる。十年二十年とかかるのはあくまでまともに修行を重ねた場合の話ーーーーかなりの危険が付きまとうが、おぬしなは全く別のやり方で、3日で卍解を修得してもらう。」