第92章 120.Shake Hand With Grenades
「おぬしの完全回復を待っておる時間は無い。痛みはあろうがやってもらうぞ」
そう言うと一護は真剣な顔で、応えた。
目覚めてすぐ、一護は夜一の襟を掴み、怒鳴り声をあげた。
「どうして俺だけ連れ帰ったんだ!!!あそこに残されて生き残れる可能性が一番高いのは俺だ!!これじゃ岩鷲も花太郎もルキアもみんな殺されちまう!!」
その言葉に夜一は冷めた顔で自惚れるなと言うと、一護を振り回し、床へと叩きつけた。
「騒ぐな、臨が折角閉じた傷口をまた開ける気か」
二人の視線が、疲れて眠る臨へと向く。
「……確実に白哉から逃げ切る為には、一人抱えて逃げるのが限界じゃった。」
「………それなら…どうしてルキアじゃなくて俺を……」
「確かに、あの時彼処におった者の中で白哉を倒せる可能性のある者なぞ皆無じゃった。じゃが3日あれば、おぬしだけはその可能性が見えてくる。そう思うたから、儂はおぬしを連れ帰った。………彼処には白哉の他に浮竹もおった。奴はルキアと臨の直属の上官で義理堅い男じゃ。賊とはいえ、ルキアを助けにきた岩鷲とあの四番隊の小僧を牢に入れこそすれ、殺すことなぞ考えられぬ。
じゃから一護、案ずるな。おぬしは此処で強くなれ。今のままでは白哉には勝てぬ、じゃが3日で勝てるよう鍛え上げてやる。そしてもう一度、おぬしの手で…………今度は皆をまとめて助け出せ!!」