第90章 118.The Supernal Tag
夜一の姿を見て、ルキアがポツリと言葉をこぼす
「………先代隠密機動総司令官及び同第一分隊『刑軍』総括軍団長……」
すると白哉は夜一を見て、その名を呟いた。
「四楓院夜一…………久しく見ぬかおだ。行方を晦ませて百余年、死んだものとばかり思っていたが……」
その姿を見て、一護が夜一へ声をかける
「助けに来てくれたんだろ?サンキューな。でも悪い、どいててくれ………俺はそいつを倒さなきゃならねえんだ。」
そう言うと夜一は呆れた様な顔をし、愚か者と一護の患部へと手刀を叩き込んだ。
吹き出る血液
その様子に全員が驚くと、一護は昏倒し夜一へと倒れ込んだ。
「…………薬か。」
浮竹が呟く
「"穿点"か"崩点"か……強力な麻酔系の何かを内蔵に直接叩き込んだな………………彼を治す気か、夜一」
「……浮竹」
「治させると思うか」
そう言うと白哉は剣を再び構えなおした。
「させぬ、兄はここから逃げることはできぬ。」
「……ほう、大層な口を利くよつになったの白哉坊。おぬしが鬼事で儂に勝ったことが一度でもあったか?」
「………ならば 試してみるか?」
二人の姿が消える。
吹き抜ける風
二人の姿が一瞬止まると、夜一はその背後に止まり、白哉はそれに向かい剣を振った。
さらに夜一が遠くへと現れ、床に足をつける。
しかしその背後に白哉は現れると、剣を振った。
「その程度の瞬歩で、逃れられると思ったか」
夜一の体に剣が振り下ろされる。
赤が宙に舞う
崩れ落ちる体を見下ろし白哉は剣をしまおうとした瞬間、目の前にいたそれはオレンジ色の紙切れへと入れ替わりその肩に重さがかかった。
「その程度の瞬歩で 捕らえられると思うたか?」
驚きに白哉が目を見開く。
そして夜一は屋根の上へと現れると、3日じゃと呟いた
「3日で此奴をおぬしより強くする。それまで勝手じゃが、暫しの休戦とさせて貰うぞ。追いたくば追ってくるが良い。"瞬神"夜一、まだまだおぬしら如きに捕まりはせぬ」