第89章 117.Remnant 2
一護が一歩踏み出す。
「……随分と悠長に構えてるじゃなえか、あんだけルキアと喋ってても斬りかかってこねえなんてよ」
「……誰に向かって口を利いている……私に 貴様如きの隙を衝けと言うのか?…………大層な口を利くな小僧」」
白哉の霊圧が急激に跳ね上がる。
それに耐えきれずルキアと花太郎はしゃがみこみお互いの安否を確認した。
しかし、一護はそれに臆せず刀を構える。
「……ほう、この霊圧の中で顔色一つ変えぬか…….随分と腕を上げた様だな…どうやって再び死神の力を手にしたのか知らぬが、あのまま現世で安穏と暮らしておれば良いものを………拾った命を捨てる為にこんな処まで来るとはな…愚かな奴だ。」
「……捨てに来たつもりなんて無えよ
あんたを倒して 俺は帰る。」
「…………………大層な口を……
利くなと言った筈だ小僧」
白哉の姿が消えた。
(消えた!……瞬歩だ!!!)
ルキアはそう理解したその瞬歩、一護と白哉の剣が合わさり、ルキアの目は見開かれた。
「…………大層な口か?見えてるぜ、朽木白哉。」
剣が弾かれ、一護は不敵に笑う。
「……成程………どうやら思っていた以上に腕を上げたとみえる。……………仕方無い、ならば貴様がその力に自惚れる前に見せておいてやろう。」
そう言って白哉は剣を掲げる
「千年踠いても埋め様の無い、決定的な力の差というやつを」
ルキアは逃げろと再び叫ぶ。
しかしその前にその言葉は呟かれた
「散れ」
ふわりと風が吹くと同時に、白哉の剣に封印具が巻きつけられた。
「………夜一!!!」
浮竹の声が響くと、封印具を巻きつけた夜一はゆっくりと立ち上がる