第89章 117.Remnant 2
「………一護……!」
ルキアが一護の名を呼ぶと、彼は何だよと答えた。
「ここまできて今更退けとか言うんじゃねーだろな……退かねえぞ、冗談じゃねえ。俺はてめーを助ける為にここまで来たんだ。てめーがもし、ここで死刑になりたいって言おうがそんなこた知ったこっちゃ無え!おれはてめーを引きずってでも助け出すぜ!こっから先、てめーの意見は全部却下だ!わかったかボケ!!」
その横暴な言葉にルキアも反撃する。
「なんだそれは!助けられる側の意志は全て無視すると言うのか!?そんな横暴な助け方あるか!!」
「うるせえ!助けてもらう奴がゴチャゴチャ言うな!!てめーはそれらしくその辺でブルブル震えながら お助けー!! とか言ってりゃいいんだよ!!」
一触即発、しかしルキアはふっと笑うと、一護に相変わらずだと呟いた。
「相変わらず…….私の言うことを少しもきかぬ……」
「あたりめーだろ!てめーの言うことは俺の心配ばっかじゃねえかよ!こんな時ぐらい自分の心配してろ!!………心配すんな!死にゃしねえよ!」
その姿が、ルキアの中に残るある人物………志波海燕と重なる。
「これでも俺 ちょっとは強くなったつもりなんだぜ」
そして、その場にいた浮竹も一護に既視感を覚えると、白哉に問いかけた。
「………あれは 誰だ」
一拍
しかし白哉は落ち着いて無関係だと告げる。
「少なくとも今、兄の頭を過った男とはな。……奴は何者でもない、ただの旅禍だ。 私が消す。………それで終わりだ。この些細な争いの全てが終わる。」