第83章 99.Dead Black War Cloud
「………そんな…!」
雛森が口元を覆い、運び込まれた人物に涙を流す。
「……僕が見つけた時にはもうこの状態だったんだ、もう少し早く見つけて僕が戦いに加勢していれば……」
そう言うと彼女は吉良くんのせいじゃないと首を振る。
それを見て吉良は申し訳なさそうに眉をひそめると、口を開いた。
「…ともかく四番隊に連絡するよ、上級救助班を出して貰おう。」
「その必要はない。」
無情な声が室内に響く。
それに驚いて雛森と吉良は視線を向けると、倒れている人物の上官にさらに驚いた。
「牢に入れておけ。」
「ーーーー朽木隊長……!!」
雛森なんでと呟く
「言い訳などきかぬ。一人で戦いに臨むということは、決して敗北許されぬということだ。それすら解らぬ愚か者に用など無い、目障りだ早く連れていけ。」
その言葉に雛森の感情が溢れ出す
「ちょっと待ってください!!そんな言い方って……」
しかし吉良に止められると、その威力を失った。
「同期が失礼なことをいたしました、申し訳ありませんでした!」
頭を下げる吉良を見て、雛森も少し戸惑い、そして頭を下げる。
すると白哉はそれを一瞥し、背を向けその場を立ち去った。
「おーーーーこわ!」
今度は別の声が響き雛森は再び驚く
「市丸隊長!」
しかし吉良がホッとしたかのようにその声を出すと、雛森も少しばかり警戒を解きその人物へ視線をむけた。
「何やろねあの言い方、相変わらず怖いなァ六番隊長さんは。心配せんでもええよ、四番隊ならボクが声かけてきたるから……ついておいで、イヅル」
「はい!」
市丸と吉良がその場を後にする。それに雛森はよろしくお願いしますと頭を下げると、今度は別の人物が背後に現れ悲鳴をあげた。