第5章 4.WHY DO YOU EAT IT?
「虚は肉親を襲う!?」
オレンジ髪の少年、黒崎一護は驚いた表情で背に乗るルキアへとそう言うと、彼女はそうだと肯定した。
「なんでだよ!虚ってのはハラ減って魂喰うんだろ!無差別なんじゃねーのかよ!」
「無差別に人間や他の霊魂を襲うのは、既に肉親を喰い殺した虚だ。」
「なっ」
一護が絶句する。
それを無視して、ルキアは言葉を続けた。
「それともう一つ、虚はハラを空かせて魂を喰らうのではない、苦痛から逃れる為に魂を喰らうのだ。虚というのは堕ちた魂だ。死神に尸魂界へと導かれなかった魂、取りこぼされた魂、虚から守ってもらえなかった魂。それらが堕ち中心を亡くして虚となる、そして、虚となった魂は亡くした中心を埋めるため、生前最も愛したものの魂を求めるのだ。」