第69章 81.Twelve Tone Rendezvous
瓢箪に入った酒を腰にかけ、練武場へと臨は降りて指導していた。
「織姫ちゃんは問題なさそうですね。石田くんも形はできていますから、あとはその形をきちんと球にする練習ですね。すぐできるようになりますよ。茶渡くんは霊圧はいいのですが少し不安定ですから、霊圧の入れ方を調整する必要があります。少し抑えられますか?……一護くんは………」
臨が目を細める。
「才能がない。」
「うるせえよ!!」
一護が持っていた霊珠核が臨に投げつけられるが、それを巧くキャッチする臨。
「わかんねえっつッてんだろ!!もっとこーコツっぽいのとか教えろよッ!!ちくしょーー!!!」
息切れする一護とスパルタすぎる臨の様子を見て全員の顔が青ざめる。
あれがダメならこうしてみろ、それでもダメならこう。
しかしできる様子のない一護に臨は霊珠核を指先でくるくると回すと、大きくため息を吐いた。
「これでもダメですか……」
すると練武場の扉が開き、岩鷲の取り巻きの一人が顔を覗かせた。
「えーーっと、一応メシの用意できたけど…………」
しかしそんな空気でもない雰囲気に彼が気後れする。
しかし岩鷲はみんなに食ってこいよと声をかけた。
「どーせハラ減ってんだろ!?」
その言葉に石田が自身の空腹を感じ、驚いた。
「流魂街じゃメシ出なかったろ?あそこの連中は霊力使えねえからな、ハラ減らねえんだ!」
「イヤ………でも黒崎が」
「…………俺はいい。先食っててくれ。」
コレができたら行くと言われ、石田が先に行くと言う。しかし織姫はまだいいやと言うと、臨が声をかけた。
「織姫ちゃんは兕丹坊の治療で体力を消耗したのですから、行ってください。」
「でもほんとに」
突如、お腹の鳴る音が響いた。
「………」
「………」
「………」
「え、えっと今のウソ!」
すると一護が織姫に声をかけた。
「行ってくれ、俺なら大丈夫だから。」
「ち、違うよ!あたしももっと練習したいの!おなかだってホント大丈夫だし。」
「井上。」
その言葉に織姫が黙る。
「………頼む。」
その言葉に織姫が少し寂しそうな表情をすることに臨が気がつく。
しかし織姫はすぐに笑顔をつくるとわかったと声をあげた。