第68章 80.The Shooting Star Project
「初めてっスよ俺、副官章なんかつけるの。」
恋次がそう言うと、七番隊副隊長の射場鉄左衛門はあたぼうよとない眉を顰めた。
「こんとに強制されてハメるんはワシも初めてなんじゃけえの!副隊長は副官章をつけて二番側臣室に待機せよーーー……か」
二人で並んで側臣室へと入ると、五番隊副隊長雛森桃がしゃがみ込んでいるのが視界に入った。
「……阿散井くん、射場さん」
「雛森、何だよまだオマエだけか?」
恋次が聞くとそうみたいと答える。
すると次に来た金髪の女性、十番隊副隊長の松本乱菊は声をかけた。
「隊長、副隊長なんてのは尸魂界にちらばって忙しくしてるような連中ばっかだからねェ、全員集まるのには半日ぐらいかかるんじゃない?」
ウチの隊長さんも連絡つかないしとため息を吐く。
すると雛森は恋次に質問をした。
「うちの藍染隊長……見てない?」
その言葉に先程の藍染の顔が恋次の脳裏に思い浮かぶ。
しかし何故か見てないと嘘をつくと、雛森は寂しそうな顔をして俯いた。
「……ずっと…様子がおかしいの………今朝もずっとおかしくて……でもきいても何も答えてくれなくて……臨先生も重禍違反で罪に問われているし、あたしどうしたらいいか………」
目に涙が浮かぶ雛森に、心配すんなと恋次が言う。
「何もねえよ、この召集だってすぐ解かれるに決まってるさ。」
しかし、その恋次の心境はぐちゃぐちゃにこんがらがっていた。
何が起きているのかわからない。
何故ルキアが死ななければいけないのかがわからない。
先程のあった藍染の意味深な言葉を脳で繰り返される。