第2章 1.Death & Strawberry
空座町 午前二時二十三分 金曜日
少女は遠くを見つめ口を開いた。
「この辺りか……---成る程…強い魄動を感じる……。」
幼なげな少女は月に視線を向けると、不吉の象徴とされる夜の蝶がフワリと舞った。
白い月明かりに照らされた黒い蝶に目が奪われ、蝶の行く先を見ているとそこに突然現れた人影に内心どきりとする。
「臨殿。」
どこか似たような顔をした美女の桜色の唇は優しく弧を描いた。
その腰には、刃が一つ
静かな街中、確かにそこにいる2人には影がない。
月明かりが照らす街中、真っ黒な着物を着た2人は街の闇に溶けていった。
ひらり ふわり
斯くて刃は振り下ろされる。