第66章 78.meeT iT aT basemenT
「いやはや失礼致した!」
金彦と呼ばれた男が一行を案内する。
「臨殿と夜一殿、そのお供とはつゆ知らず!ご無礼をお許しくだされ!」
「構いませんよ。先に連絡を入れていなかったこちらにも非はありますから、ねえ夜一。」
「さすが偉大な方はお心が広い!」
長い階段を下っていく。
廊下にたどり着くと金彦は少々お待ちをと言い、襖に何かを言おうとする。
「………金彦か。」
しかし、その前に襖の奥の主は金彦の名を呼んだ。
「……珍しい奴がいるなァ………!開けろ モタモタすんな!」
「はい!ただいま!」
襖が一気に開けられる。
するとそこには、隻腕の女が座っていた。
「よう、久しぶりじゃアねぇか、夜一、先生。」
そう、女。
臨と夜一を除いた四人は驚くと、空鶴は訝しげにそれを見つめた。
「……実はの、空鶴。今日はおぬしにたのみがあって来たのじゃ。」
夜一がそう告げることに、わかってるといった風に答える。
「面倒事か?」
「恐らくは。」
すると空鶴はニヤリと笑い、いいぜと呟いた。
「話せよ、面倒事は大好きだぜ。」
「………成る程、話は大体わかった。いいだろう引き受けてやる。」
すると臨は頭をさげ、ありがとうございますと言った。
「先生に頭を下げられたんじゃ断るに断れねえよ。それに、浦原もかんでるんじゃアな。」
ちらりとうしろに座る四人を見る。
「ただし、俺はあんたら二人のことは信用してるが、そのガキどもまで信用したワケじゃねえ。見張りの意味も込めておれの手下を一人つけさせてもらう。異存はねぇな?」
「構いません。」
「手下……?」
一護が不思議そうな顔をする。
「あァ、まあ手下っつってもおれの弟だ。まだ糞ガキで使えた門じゃねぇがな。おい!用意できたか!」
空鶴が立ち上がり、襖へと手をかける。
焦るような襖の向こうの人物はオッケーと言うと、その姿を現した。
「は、初めまして!志波岩鷲と申します!以後お見知りおきを!」
次の瞬間、一護と岩鷲から悲鳴が上がった。