第64章 76.Boarrider Comin'
「お疲れ様井上さん、臨さん。」
「あ、石田くん!」
「お疲れ様です石田くん。」
室内に入ったのを確認し、夜一が口を開く。
「揃ったな。」
座れと言われ、床に座る。
すると話を始めた。
「………つまり、一度門を開けてしまった以上、警戒されて門の内側の警備は今回の何倍にもなってるだろう……と。ということは、もう直接門を突破する方法は得策じゃないってことですね。」
石田のその言葉に夜一が元々得策だと思ってなかったわと怒る。
「とにかく、こうなった以上もうこの白道門は使えぬ!」
「他の門は……?」
茶渡がそう問いかけると、ここから十日は歩かなければいけないことに、断念した。
「………門以外から、ですか。」
臨が渋い顔をする。
すると夜一は長老に向かって声をかけた。
「志波空鶴という者の所在をご存知か。以前のままならたしかこの西方郛外区に住んでおったと記憶しておるのじゃが……なにしろフラフラと住み処を変えたがる奴じゃから……」
「あんたがた………まさかあれで壁の中へ入るつもりかね………!?」
すると、突然外から轟音が鳴り響き、家の中に何かが飛び込んできた。
「ににに人間だーー!?人間が飛び込んできたーーー!!」
遅れてイノシシも中に入ってき、大騒ぎになる。
「やれやれ……また俺のボニーちゃんに振り落とされちまったぜ………よっ!久しぶりだなおっちゃん!!」
「貴様……ガンジュ!!な、何しにきた!帰れっ!!」
そのようすに久々なのに帰れたあゴアイサツだなと笑う。
そして一護と臨を見ると、不機嫌そうに顔を歪ませ付けていたゴーグルを外した。
「なんでこんなトコにクソ死神サマがいやがんだァ!?」