第60章 72.The Superchunk
一護が斬魄刀を構える。すると兕丹坊はニヤリと笑い、口を開いた。
「話はすんだだか……?」
「別に?元々待っててくれなんてたのんだ憶えはねーけどな?」
兕丹坊が不機嫌そうな顔をする。
「………やっぱすお前も田舎もんだな、礼儀ってもんがなっちゃねえ。」
斧が振り上げられる。
「待っでもらっだら………ありがとだべ!!!」
振り下ろされる斧、舞い上がる砂埃と爆風。
落ちてくる岩の破片から庇おうと全員が腕を前に出す。
すると、茶渡はあることに気がついた。
(………そうか……!一護が臨さんから教わったものはスタミナでも度胸でもなければ……もちろん戦闘の極意なんかでもない!他の死神にあって、一護に決定的にかけていたもの……それは経験だ!)
砂埃が晴れ、一護の姿が見える。
「な……なんだ、お前え……!?」
狼狽える兕丹坊。それもそのはず、一護は自身の刀で、兕丹坊の斧を片手で受け止めていたのだから。
「こっちが構える前に斬りかかるのは、礼儀知らずって言わねえのか?」