第60章 72.The Superchunk
「………旅禍は瀞霊門の外側に落ちたか…………」
顔に刺青の入った男がそう呟く
「あちら側となると我々の出番はありませんね……」
「ああ、何せ瀞霊門の外には 兕丹坊がいる。」
一護の横に巨大な斧が振り下ろされる。
「さあ!どっがらでもかがっで来い!小僧!!」
そう言うと、遠目で見ていた石田は驚き言葉を吐いた。
「でかい……何だアイツ……!?あんなの人間の大きさじゃない…….!一体何者なんだ……?」
「奴の名は兕丹坊……」
夜一が答える。
「尸魂界の全土から選び抜かれた豪傑の一人で、この四大瀞霊門西門………通称"白道門"の番人じゃ。」
「番人………てことは、中に入るにはあいつを倒すしかないってことですね……」
「ああ、じゃがそう容易いことではないぞ。なにしろ奴がこの任に就いてから三百年、奴の守るこの白道門だけは一度たりとも破られたことがないのじゃからな!」
その言葉に石田は狼狽え、臨を見た。
「……あの斧一振りで30体の虚を撃ち殺したこともある伝説的な剛力の持ち主です。」
わかりやすいようにどれくらいの強さなのか説明すると、石田は納得した。
「そんな奴とどうやって戦えば……」
「そこは知恵の見せ所じゃよ。ここはひとまず一護を呼び戻して皆で作戦を練った方が良かろう。おい一……」
すると夜一には、茶渡と織姫が走り出しているのが視界に入った。
「コラーーーー!!!!織姫!!チャド!!儂の話を聞いとらんかったのかおぬしら!?戻れっ!!もーーーどーーーれーーーっ!!」
しかし二人はぐんぐんと走っていく。
それに気づいた兕丹坊は、酷く冷たい目をして地面へと斧を振り下ろした。
「っきゃあ!!」
爆風が再び辺りを襲う。砂埃が舞う中、うっすらと織姫が目を開くとそこに現れた岩盤に絶句した。
「い、一撃で岩盤を壁にしただと………!?」
石田が呆然とする。
「お前たづ行儀がよぐねえな。さでは田舎もんだべ?」
兕丹坊が指をたてる。
「ひどづ、外から帰っだら手え洗う。ふだづ、ゆがに落ぢだもんは食わね。みっづ、決闘する時は一人ずつ。オラの最初の相手はあのこんぺいとみでえな頭の小僧だ、それがすむまでお前たづはこごでおどなしくしでろ。」