第56章 68-3.Fire Flower
帰り道
「………ったく」
遊子を背負った一護が大きくため息を吐く。
それに一心はいいじゃないかと酒瓶を振り回し、注ぎ口を口元に寄せた。
「なんせ浴衣の下はノーパンですぜ☆」
「いや流石にそこまでさせてませんから。」
瞬時に夏梨を背負った臨がそう言うと、一心は臨ちゃんつめたーーいと騒ぐ。
それに一護はなんで臨に夏梨を背負わせてんだよと一心を叱るが、彼は聞く耳を持たず酒を煽る。
それに呆れると、一護は再び大きくため息を吐き何かを思い出したように喋り出した。
「……親父、俺また一週間ぐらいしたら出かけるから。今度は夏休みの終わりまで帰ってこないと思うけど……」
「おっ!?なんだなんだ一人旅か!?いいねえ!旅先でかわいいコ見っけたら紹介しろよな!」
ウチの平和はまかしとけとドンと胸をたたく。
「心配しなくても、父ちゃんがいる限り何人たりともウチの家族にゃ指一本触れさせねぇっ!あ、臨ちゃんはいつでもうちに来て遊子と夏梨にちゅっちゅしてもいいかんな!」
「あはは、ありがとうございます。」
冷めた笑いで返す臨。
その姿に一護は少し考え、何も心配してねえよと言った。
「行ってくる。」