第54章 68.最後の夏休み
カランコロンと下駄の音が響く。
「悪かったな、夏梨と遊子のワガママ聞いてもらって。」
「いえ、いいんですよ、私もとても楽しかったし。」
コロコロと鈴が鳴るように笑う臨。
ふと、一護はあることを思い出し、少し悩んだ後思い切って疑問を口にした。
「……ルキアの手紙に、姉さんを頼むって書いてあったんだ。」
瞬間、臨が驚いたかのように目を見開き、一護とパチリと目が合う。
すると臨は動揺したかのようにその瞳を大きく揺らし、視線を逸らした。
「………少し、長くなります。」
ぽつり ぽつりと震える声でそう言うと、臨はルキアとの関係を語り始めた。