第50章 62.Lesson 2-2
遠くに見える光を見て、一護が舌打ちをする。
くそ………っ登れねえ……
もう どれだけ時間が経った……?
わかんねえ……
すると穴から何かが落ちてくる。
一護はそれが人だと理解すると、その人物が立つ方に顔を向けた。
「よォ!」
ジン太が皿一杯に盛られたフルーツをみせる。
「食いもん持ってきてやったぜ、そろそろハラ減るころだと思ってよ」
その言葉に一護も負けじと言葉を返す。
「はっ、何言ってんだ減ってたまるかよ……よく見ろよ、まだ因果の鎖たわってけっこう残ってんぜ………」
するとジン太は憐れなモノを見るような目で一護を一瞥し、皿を床に置いた。
「……まあ、とりあえずメシはここに置いとくぜ。この穴ん中じゃ時間がわかんねぇのも仕方ねぇしな。」
「……時間?」
「いーこと2つ教えといてやるよ。あんたがココに入ってからちょうど70時間が経った、早い奴ならそろそろ虚になる頃だ。………それともう一つ。」
最後の"侵食"の規模は、今までの比じゃねーぜ!!
途端、一護の鎖が一斉に化け物へと変わる。
「ぜっ全部の鎖が……!?」
ガリガリと共食いを始める鎖に止まれよ止まれよ喚く。
それを見て慌てて穴を登るジン太。
一護の胸に 穴が開いた。