第46章 58.blank
「さてと、以上かなあ、連絡事項は」
担任である越智がそう言うと、クラスの空気がグダリと崩れる。
本日は終業式
夏休み前ということもあり、教室の雰囲気はやけに明るく、解散の言葉を今か今かと待ち侘びている。
「ま、休みなんだから宿題なんて現国以外はテキトーにやんな!遊びも少しぐらい犯罪気味の方が後々いい思い出になるよ!」
教師の言うセリフでは無い。
「そいじゃあんたたち!9月まで死ぬなよっ!以上解散!!」
わあっとみんなが蜘蛛の子を散らすように教室を出ていく。
ジョナに行きたいロイホにいきたい、コールドプレイに新曲がなどと言葉が飛び交う。
一護は石田の席へと視線を向け、休みだったのかと落胆した。
直後、視界が白に染まる。
「いーーーちーーーごーーーッ」
よく聴きなれた人物の声。するとその人物は一護の脇をかかえ、ぐるぐると回した後問いかけた。
「スイカどーーーーこだ?」
ボコりといい音がすると同時に、その人物から血が吹き出す。
「いやあああああ!!ち、違う一護!違うぞ!!"浅野割り"じゃなくて"スイカ割り"!"スイカ割り"でござい!!」
それを見て、水色は真っ青になった。
「スイカ、ビーチパラソル、サンオイル、ウキワ、ビーチボール、サーフボード………そして水着!!」
浅野はそう言って女物の水着を取り出すと、一護、織姫、茶渡、たつき、水色、みちる、臨はキョトンとした顔で浅野を見つめた。
「夏といえば海!海といえば夏!!というワケで私浅野啓吾は明日より10日間の海への合同合宿を提案するものでありまっす!!花火やキモだめしから混浴露天風呂まで、ありとあらゆるうれしはずかし企画が盛りだくさん!!さあこの夏のご旅行は浅野ツーリング、浅野ツーリングへようこそ!!」
「わりィ、俺用事あるからパスな。」
「私も申し訳無いのですが……」
一護と臨のその言葉に浅野の顔が大変なことになる。
「最近一護と臨さんがヤったって噂はほんと」
浅野の目に綺麗に臨の指が決まった。
「違います。」
「目が!目がーーー!!!」
「ごめんあたしもちょっと……」
続いて織姫も断る。