第45章 57.Unfinished July Rain
「………本当に無いと思いますか?尸魂界へいく方法。」
その言葉に、一護の瞳に希望が宿る。
「ある……のか!?」
臨の襟を掴んでいた手が緩む。
そして彼は立ち上がり、浦原に言葉をまくしたてた。
「どうやるんだ!?どうしたら行ける!?教えてくれ!!」
「勿論教えますよ、ただし条件が一つ。」
浦原が人差し指を立てる。
「これから十日間、アタシ達と一緒に戦い方の勉強しましょ。」
その言葉に一護が怒る。
「べっ、何だそれ!?修行でもしろってのか!?そんなヒマねーだろ!ルキアは尸魂界でいつ殺されるかわかんねーんだぞ!そんなコトしてる間に少しでも早く……」
「わかんない人だな」
直後、一護の体が床へと倒される。
何が起きたかわからないという顔で目の前にある浦原の顔を見つめると、浦原は口を開いた。
「言ってるんですよ、今のままじゃキミは死ぬ と。勝てるんスか?今のキミが彼らと戦って………アタシは今回敢えてキミを彼らと戦わせました。それはそうした方が口で言うよりキミには解り易いと思ったからなんスよ。」
突きつけられた杖の先が、切っ先を突きつけられたかのような威圧感で一護は息を飲んだ。
「今のキミの実力じゃ、尸魂界で戦うには何の役にも立たないって事実をね。
キミは弱い。弱者が敵地に乗り込むこと、それは自殺って言うんスよ。「朽木サンを救うため」?甘ったれちゃいけない。
死ににいく理由に他人を使うなよ。」