第45章 57.Unfinished July Rain
見慣れない天井
一護は薄っすらと目を開けるとここは何処だと目だけで辺りを見回した。
「………」
体が重い
まるで鉛のような
「っう!」
肩がずきりと痛む。
その弾みで起き上がると、腹のところによく見慣れたその少女の姿に驚いた。
「臨……?っつ」
死んでない
そのことに驚き、今度はキョロキョロと辺りを見回す。
「どこだ……ここ」
「ホラホラダメでしょ、黒崎さん。傷なんてまだまだ塞がっちゃいないんだ。あんまり動くと死にますよン♡」
「ゲタ帽子……!」
唐突に現れた浦原に驚きを隠せずに目を見開く。
「臨さんが黒崎さんを見つけてここまで運んできたんスよ、それで、さっきまで治療していたみたいっスけど……寝ちゃったみたいっスねえ」
扇子で遠慮なしに黒崎さん起きましたよと臨をベシベシと叩く浦原。
すると臨はゆっくりと目を開き、体を起こした。
「………一護くん!」
驚いた顔で一護の名を呼ぶ。すると良かったと安心したかのように顔をくしゃりと歪めた。
「っごめんなさい」
同時に謝罪の声が漏れる。
「生きててくれてよかった」
掠れた声で、一護の手を掴み背中を丸め、俯きそう言う姿に、浦原が言葉を続ける。
「責めないでやってください、彼ら達が来ている間、私らが臨さんをここに引き止めてた……いや、閉じ込めていたんスよ。結局突破されちゃったんスけどね」
「閉じ込めてたって、なんで」