第43章 55.SHUT
辺りに鮮血が舞う
一護が膝をつくと、恋次は伸びた刀をまとめ不敵に笑った。
「悪ィなガキ、これが"力の差"ってやつだ」
刀についた血を振り落とす。
「斬魄刀は持つ者の霊力によって大きさも姿も変わっていく……こいつがオレの霊力の姿だ。」
恋次はもう一度刀を構え、言葉を続けた。
「じゃあなガキ、てめーに個人的な恨みは無えが、現世の空気は合わねえんだよ。そろそろ片付けて、芭蕉臨を探しに行かなきゃなんねえんだよ。」
(初撃で力の差を思い知る、そうすれば自分の力量では敵わぬことを悟り傷の浅いうちに退いてくれるのではないか
そう願っていた。
だが、一護はきっとそんな理由で退きはしない、そのこともわかっていた気がする。)
まだ動けるか一護?動けるなら今からでもいい、逃げるのだ
早く
お願いだ早く
逃げてくれ!!
恋次にルキアが飛びつく
「な、何してんだルキアてめえ!?放せコラ!」
ふりはらおうとするも、関節を固められ振り切れない。
「てめぇこれ以上罪重くする気かよ!?放せバカ野郎!!」
「逃げろ一護!立て!!立ち上がって逃げるのだ一護!!」
直後、一護の手が斬魄刀を握る。
同時に恋次から振り落とされるルキア。
「なんだ、てめーまだ動く力が残ってやがったのか……」
立ち上がる一護。
「丁度イイぜ、死にかけの奴にただトドメ刺すのもつまんねえと思ってたとこだ……そんじゃいっちょ景気良く、派手に斬り合って死んでくれ!」
「一護!!立てるなら逃げろ!!逃げるのだ一護っ!!一……」
「どうした?来ねえならこっちからいくぜ」
恋次が構える。
動かない一護、その様子のおかしさに3人が不審に思う。
「…………!」
途端、周囲の霊圧が急激に上がり始めた。
「っなん」
恋次が慌てて刀を前に出す。しかし今度は彼の肩から、赤が舞った。