第39章 51.DEATH 3
さらりとした長い黒髪が初夏の風に撫でられ舞う。
木の上に座っているというのになんて上品で美しいのだろうと、ルキアは臨に見惚れ、声をかけようとすると、その前に背後からガヤガヤと近づいてくる女子たちの声に呼び止められた。
「朽木さーん!臨ー!お昼いっしょに食べなーい?」
「どうしたんスか夜一サン、雨でもきそうっスか?」
浦原がそう言って皿とミルクを準備する。すると夜一と呼ばれたその猫は突然、人間の言葉を話し始めた。
「安い演技をするな喜助。わかっておるのだろう……"奴等"が来ておるぞ」
その言葉に帽子に隠れた眼光が鋭く光る
「その話、ミルクの前と後どっちにしましょ?」
「お兄ちゃん!!」
夜の黒崎宅、遊子の怒りの声が外まで漏れる。
「また勝手に残り物いじって!!」
「夜食だよ夜食、育ち盛りは大変なのだ」
一護がそう言って食事を自室へと運ぶ
「太っても知りませんからね!」
そう怒る遊子にへーいと声をあげ、自室へと戻ると同居人へと声をかけた。
「おーいルーキアー、晩飯だぞーーって……ありゃ?」
しかしその姿は見えず、拍子抜けする。
「何だよアイツ、またどっか行ってやがんな」
夜の街に、影が伸びる。
一つしか伸びていない大きいようで小さな影。
さらにその影を追うように、うっすらとした影が二つ。
「背面適合113!神経結合率88.5!……マジかよ!ホントに義骸に入ってんじゃねーか、映像庁の情報なんかアテになんねーと思ってたのによぉ」
朽木ルキア 見ィーつーけた!