第36章 48.メノスグランデ
浦原商店の三人が辺りの虚達を次々と昇華させていくのを見て、一護と石田は感嘆の声を漏らした。
「つ、強い!どんどん虚の数が削られていく……!」
石田そう呟く。すると一護は浦原に視線を向け、疑問を口にした。
「どうしてここに……….どうしててめぇは俺のいく先々に現れるんだよ!?」
その疑問の答えのような、答えでないセリフを、浦原は答えた。
「言ったでしょう、助けに来ましたよーーーん♪って。周りの虚はあたしらが引き受けますよ、黒崎サン、貴方があいつとの戦いに専念できるようにね………ほら、無駄口を利いてる暇なんてない。」
空に指が刺され、二人がその方へ視線を向ける。
とうとうその姿を現したそれに、二人は言葉を失った。
「臨さんはあいつの足元にいるはずっすよ………早く行かないと、マズイかもしれませんねえ」
虚が徐々にヒビから姿を現わす。
その姿に舌打ちし、一護は駆け出した。
「………本当に、メノスが」
信じられないといった顔をしたルキアに、コンがなんスかと悲痛な叫びをあげる。
「幾百の虚が折り重なり混ざり合って生まれたとされる巨大な虚だ………しかしあんなもん教本の挿絵でしか見たことがない………あり得ぬ話だ、あんなものまで出てくるなど、王属特務の管轄だ!とても一死神の戦える相手ではない!」
あたりに残っていた虚達が大虚に向かい飛び立つ。
直後
大虚から延びた下のようなものが、一斉にその虚達を捉え、その口元へと一斉に運び込まれた。
ぐちゃり
バリ
ブチブチ
形容しがたい音が鳴り鳥肌がたつ
「仲間の虚を………食っただと?」
それと同時に先を走る一護の姿を見つけ、ルキアが驚く。
「止せ一護!!貴様の戦える相手では!」
追いかけようと駆け出すも、その目の前に浦原が現れ思わず足を止める。
「浦原……!!貴様どういうつもりだ!!一護を殺す気か!?」
「まさか」
「ならばどけ!!」
突き飛ばそうとするも、その前にルキアの首元に浦原の指が触れる
すると彼女の全身から力が抜け、へたり込んだ。
「臨さんに言われてるんすよ、何があっても朽木さんを前線に出すなって………それにこの戦いは必要な戦いなんスよ、朽木サンにとっても、彼にとってもね。」