第32章 44.Awaken
「何言ってんだテメー!自分でまいたタネじゃねーか!テメー町中の人間殺す気で始めた戦いだろ!!」
臨がそっとコンの前に手のひらを翳す。
それを見て、二人は口を閉ざした。
「キミは自分が何をしたのかわかっていないだろう。」
ひやりとした空気が流れ、ルキアとコンの背筋が凍る。
「わかって……」
「わかっていない!!」
普段の落ち着いた様子からは想像できない大声に、3人は驚く。
「キミは……キミが蒔いた種で何が起こっているのか理解していないだろう、人間たちを危険に晒して……空紋だってできている。」
「空紋……?」
「……まさか、知らないのですか……?」
愕然とする臨。
直後、背後に虚が現れる。
「臨殿、うしろ!!」
「!」
臨が身体を捻り、後ろを見る。
新しく現れた虚に腰の刀に手をかけた瞬間その虚は真っ二つに割れた。
「やっと見つけたぜ……石田ァ!!」