第29章 36.我ら、報復の為に死に至りて
かんっと窓の外にキセルの灰を叩く臨に、鉄裁が頭を下げる。
それと目の前にいる浦原喜助に、彼女は大きくため息を吐くと、彼は「生理っすか?」と言わなくてもいいことを言ってしまいキセルで思い切り殴られた。
「鉄裁さんは仕事に戻っていただいて構いません、今回私が用があるのはこちらの浦原喜助ですから。」
「た、タバコ辞めたんじゃなかったんスか……」
「学生の姿の間だけは、ね。……ブラ霊の件、知らないとは言わせませんよ。」
「………」
「貴方にならルキアがテレビに映ることをどうしてでも止めれたはずです………何故止めなかった。」
初夏というのに、ヒヤリとした空気が室内に流れる。
にも関わらず鉄裁の額に大粒の汗が浮かぶのを見ると、臨は口を開いた。
「まあ、いい、過ぎてしまったことは仕方ないです。今回はそれと、別件でお話しがあり訪問しました。」
「別件?なんスか?」
「滅却師……石田雨竜のことなのですが……」
ガラリと商店の扉が開かれ、聞き慣れた声が背後に現れる。
「浦原はいるかーーーーって、臨殿……どうしてここに」
「丁度良いところに来ましたね、ルキア。」