第28章 35.Can You Be My Enemy?
教室の扉からこそこそと目当ての人物を覗き込むと、一護はホントにうちのクラスだと呟いた。
「あっ帰るぞ!」
「ちょっとまって!ほら、みちるちゃんが壊れたぬいぐるみを持ってったよ!」
「どうする気だ?」
石田がペンケースのようなものを取り出し、それを開く。
「なんだ、ありゃ?」
「裁縫セットだよ!」
かぱりと開かれる蓋。
鮮やかに桃色の糸が針へと通され、10秒も経たないうちに綿の飛び出ていた部位の口が閉じる。それに感動してありがとうと言いながらみちるがぬいぐるみを抱きしめた。
「いいよお礼なんて、たいしたことしたわけじゃない。」
その冷たい言い方に、みちるがたじろぐ
「あー、まただよ……ああいう言い方しなければいい子なんだけど………ねえねえ黒崎くん、石田くんとなにかあったの?」
織姫がそう聞くと、一護は大したことじゃねえよと答える。