第27章 34.Quincy Archer Hates You
「いくら地毛だっつっても、上級生にはイヤでもケンカ売られるし、教員にはイヤでも目ェつけられる。ダメなんだよ俺そういうの。
俺、気ぃ短いからケンカ売られたらつい買っちゃうし、教員にイチャモンつけられたら反抗しちまう……そしたらまたそれを理由に素行が悪いとかで教員がカラんでくる、そういうのが鬱陶しいから成績上げてんだ。」
「……そっか、なんか、色々大変なんだね……一護も。」
「別に、もう慣れたよ。」
その時
一護は学校の先生達のことを『教員』
としか呼ばなかった
その言い方はとても冷たくて
少し淋しくて
ああ
一護はこれまで教師から外見だけで
オレたちの想像もつかないような
たくさんの差別を受けてきたのだろう
そう感じさせるには充分で
オレは
そんな一護に……
そんな…
そんな……
「そんなキミにこのガリ勉ハチマキをプレゼンッ」
「いらねえっつってんだろ。」
ハサミでハチマキがばつんと切られる。
それを更に無視して小島はルキアと臨について尋ねると、一護はなんで俺に聞くんだよと言った。
「だっていつも一緒にいるじゃない!」
「知らねえよ!こないだのTVの一件以来周りの視線が気味悪くなって、学校じゃ特にルキアには関わんねぇようにしてんだ。」
臨に至ってはいつのまにかエスカレートしてヤッただのヤッてねぇだのなんて噂まで流れてるしな!
そう言う一護にへー、とにやにや答える小島。それを浅野が苦笑いして見つめる。
「ほんと冗談じゃねえよ!」
一護はそう、呟いた。