第27章 34.Quincy Archer Hates You
「あァ!?」
ひが落ち始めた路地裏、一護は不機嫌な声を上げる。
「また虚がいねぇじゃねぇか!!」
今週入って何回目だよと悪態を吐くと、ルキアは伝令神機をいじった。
「壊れてんじゃねーのか?」
「そんなわけないはずなのだが……」
「カンベンしろよー、俺今テスト期間中だぞぉ」
「わ、私だってそうだ!」
二人の言い合いに整の目にジワリと涙が浮かぶ。
「お前は我慢しろよ!お前の機械が壊れてるせいでこうなってんだからよ!」
「こ、壊れてはおらぬと言っておるだろう!」
「じゃあ何か?この辺に臨以外の死神がもう一人いて、そいつが俺らより先回りして虚を倒してるとか言うのかよ?」
「それはありえない!臨殿が他の死神に自分の区分を任せるなど絶対にありえぬ!だからそれはない……と思うが」
直後、整が跳ねた。
「うわーん怖かったブーー!!!!」
飛び付かれそうになった一護が容赦なく整の顔を蹴る。
「貴様今怖かったと言ったな!?ということはやはりここに虚はいたのだな!!言え!誰が虚を倒してお前を助けた!?お前を救ったのはどんなやつだった!?」
整の胸倉を掴み、そう聞くルキア。
「ぼ……ボク怖くて目つぶってたからわかんない……」
直後、一護とルキアから物凄い殺気が流れる。
それに恐怖し整は自身の宝物を差し出した。
「おわびにボクの宝物の魔法少女メガロンのフィギュアあげるから勘弁してくださ」
二人の手によってメガロンのフィギュアが握りつぶされる。
「メガローーーン!!!!!!」
そう騒ぐ二人を臨はビルからちらりと見下ろし、目標の人物へと刀を抜き屋根伝いに追いかけて行く。
逃げて行く人物に追い付こうと死神の歩法でそちらへと向かうと、静かなその霊圧に追われてる人物が細いものを打った。