第356章 epilogue.1 葬神天滅
「臨、僕は死んだ。この思念ももう、長く持たない。
僕は皇骸浅打という斬魄刀として、君に渡されたあの地獄の鍵として、君の精神世界と地獄を繋ぐ鎖となっていた。
僕が消えれば 地獄との契約は切れる。
そうすれば………」
全て言わずとも、私は彼が何を言おうとしているのか 理解した。
それに私は彼の頭を撫で わかっていると呟く。
「………私が 地獄の鍵となろう。
私は君を憎み 恨み 愛していた。
私はこの世界が嫌いだった。お前を楔としたこの世界が許せなかった。
けれども、私はこの世界を愛してしまったんだ」
その言葉に 霊王の目が見開かれる。
「………本当に、いいのかい?」
「構わない。私はもう 十分長く生きた。ルキアも大人になり、仲間たちも多く見送った。
愛する人も……直接手を下した訳ではないが 私が殺したようなものだ」
「………」
「なあ、最期にワガママを言っていいか?」
その言葉に 彼は少し何かを言い澱み 頷いた。
「名を 呼んでくれ。
私の 本当の名を」