第352章 681.THE END TWO WORLD
門へと消えて行くユーハバッハに 恋次が蛇尾丸を振る。
「ま……待て!てめえ!!」
しかし 伸びた刀はいとも容易く片手で止められ それを床へと落とした。
地に伏せる織姫から ユーハバッハの能力を耳にし ルキアが絶望に顔を歪める。
「……何だ………その能力は…………
未来を書き換えるだと……?そんなもの….手の打ちようが無いではないか………」
織姫が 呟く。
「ご……ごめんね……黒崎くん…………
天鎖斬月……直せなかった…………」
その言葉に ルキアが唇を噛みしめる。
「ここから先の未来全てで折られたものを……拒絶で消す事はできぬという事か…………」
「ごめんね……これじゃもう……戦えないね……」
織姫の声が 掠れて消える。
しかし恋次は 倒れる一護を無理矢理起こすと呟いた。
「行くぞ」
「!恋次!待て!どうするつもりだ!!」
「決まってんだろルキア、あいつを追うんだよ」
「莫迦な……せめて何か……策を練ってから挑むべきだ!」
「あんなバケモン相手に策なんか浮かぶのかよ!」
ルキアが 口を噤む。
それに一護は掠れた声で呟いた。
「…………ああ
そうだ……もう、無理なんだ…….」
「何が、無理ですか」
そのアルトの声に 全員の視線が向けられる。
濡れ烏の髪
瑠璃の瞳
桜色の唇
黒い 死覇装
「臨さん……」
恋次が呟く。
すると臨は虚ろな一護の前に立ち その胸を左手で触れた。
「………君を刺すのは これで三度目ですね」
その右手には 黒い大剣が握られている。
それに恋次は目を見開くと 臨は間髪入れずにその大剣を刺した。
「何を………してんだよ臨さん!!」
「言ったでしょう 恋次。それにルキアも。
私は 尸魂界が、現世が、虚圏が、この世界がお前達が好きだと」
その剣が 淡く発光する。
「一護、君に私が奪った 天鎖斬月のカケラを返そう。
私に還った その新たな天鎖斬月を君に贈ろう
我が霊王の能力を 君に与えよう」