第348章 6??.振り下ろされる刃
ただ ひたすらにその愚鈍な斬撃をルキアは避ける。
(斬魄刀ではあの剣は防げぬ……ならば!!)
「縛道の八十二 斥盾!!」
一度だけ どんな物理の攻撃をも防ぐことのできる縛道を展開してみる。
「鉄の巨人 鋼の番人 清き水を用いて 己が身を清めよ!!」
「八十番台の縛道……それも後続詠唱ですか。しかし、それも無意味」
盾が いとも容易く割れた。
ルキアへと迫る刃
それが腹へと直撃すると 鈍い音と共に瓦礫へと叩きつけられた。
「ゔっ」
激痛に声が漏れる。
思わず蹲ると 臨は大剣を背に構え ゆっくりとルキアに近付いた。
「終わりですルキア。刀を出しなさい。そうすれば命だけは取らないであげる」
「っゔゔ」
身体の下へと ルキアが袖白雪を隠す。
それに臨は眉を釣り上げると 斬魄刀を振り上げた。
「わかりました ならば貴女ごと叩っ斬ってあげましょう!!」
振り下ろされる 刃。
ルキアはその時を 目を固く閉じ待つ。
しかし、一向に訪れないその時に、恐る恐る目を開けると、その場に現れたその人物の名を叫んだ。
「れ……恋次!?」
「わりぃルキア、行けっつわれたけどマジでいってたら朽木隊長に殺されっちまうってんで隠れてた」
臨の剣を止めていた斬魄刀が 音を立てる。
「それよりよお、臨さん、この斬撃は人を殺す為の剣でもなけりゃあ 斬魄刀を斬る為の剣でも無え。
臨さん、どういうことだよ」
臨が後ろへと跳び 恋次と距離を離す。
それに恋次は逃さないとばかりに臨へと蛇尾丸を振ると 綺麗に弾き返されるものの、攻撃する気のない刃に目を細めた。