第25章 25.6/17 op.9
「いってえーーーーーっ!!!!???」
森林の中そんな悲鳴があがり臨がルキアの耳を塞ぐ。
「しょうがないでしょう、魂魄の状態で受けた傷は肉体に戻った時にそのまま肉体に現れるのですから。そもそも、一人でグランドフィッシャーを倒そうとなんてするんだからそんな大怪我するんですからね。」
「だって今までは全部キズ治してから体に戻してたじゃねぇか……」
「私とルキア二人ぶんの霊力で漸く腹のキズを治すのが精一杯だったのですよ。なんですか、なにか文句でも?」
そう言って一護の頬にできた傷に可愛らしいウサギの書かれた絆創膏が貼られる。
臨はこれでよしと呟くと、一護は自身の頬の傷を撫でて遠くを見た。
「……俺は、負けたんだな。」
「………ええ、負けました。」
非情にそう告げる臨にルキアが驚いた顔をする。
しかし一護はそうかと答えると、静かに雨に打たれた。
「………真咲さんを……………君の母親を殺したのは、紛れも無い私です。」
臨がそう告げる。
しかしそれに振り返ることもなく、聞いているのか聞いていないかわからない一護に臨は目を細めると言葉を続けた。
「15年前から、私はこの町で虚退治をしていました。人間の魂を守らなくてはいけなかったのに、私は君の母親を」
「やめようぜ、そんな話は。」
臨が言葉を止める。
「………あんたのせいじゃねーよ。」
「でも」
一護がその場を離れようと先を歩く。
「悪い、少しだけ、な。」
「一護……くん。」
「チェッ、空気が重くて起きられやしねー。」